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その他を中心とした二次創作の小説「闘いの始まり」

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その他 / 王を争ったキャラなし上級貴族エンド後、主人公の一幕

闘いの始まり

私が大広間に一歩足を踏み入れた瞬間、
辺りの空気が一気にざわつき始めたのを感じた。

私とヴァイルが篭りを終えてから初めての舞踏会は、普段の時にも増して異様な雰囲気に包まれていた。

新たな王と、王になれなかった印持ちが初めて社交の場に姿をあらわすということで、
継承の儀に参加することができなかった国中の貴族たちが、純粋な好奇のため、各々の生き残りのため、あるいは醜い野心や打算のためにこの場に集まった。

新たな王には前評判の通り、ヴァイルが選ばれた。
この新王の選出については、やはりランテが王の座を手放すはずがない、平民出身の者が王になどなれるはずがないなど、貴族たちの間で様々な噂が流れていたようだが、リリアノがそのような計算や偏見で王を決めるはずもない。
単純に私の力がヴァイルに及ばなかっただけだ。
私はこの結果に納得していたし、リリアノは確かに正しい選択をしたと素直に認めることができる。

意外であったのは、私に公爵位が与えられた事だった。
貴族としては最高位、印を持った元王候補にはそれなりにふさわしい地位を与えるべきだという判断だったのだろう。
今後、ヴァイルと私のように、二人の候補者が現れた時の前例になるはずなので、
私をどのような処遇にするのかは相当慎重な判断を求められただろうが、
反ランテの勢力や印狙いの貴族たちの中で私に取り入ろうとする者たちの思惑が働いたことも大きいのだろうと推測できる。

ここまでの立場を与えられるとは思わなかったし、正直言うと、荷が重い。

継承の儀にて、継承権を放棄する儀式を行ったので、建前ではもはや私に王の継承権はないのだが、それでもヴァイルとリリアノに何かあれば間違いなく私が王の候補に挙げられることになるだろう。
この国では、印を持たない王の前例はないのだし、
他に印を持つものがいなければ、残りは私しかいない。

そう考えると私の存在は貴族達にとっては、
非常に危険なものであり、同時に非常に有用なものだ。
親ランテの立場からすれば、現在の王権を脅かす存在であるし、反ランテの勢力からみれば、現在の王を追い落とす最も有力な大義名分となりうる。

次の候補者が生まれるまで、その状況は続くだろう。
そんな状況の中、私が公爵位という高い地位を与えられ、貴族として勢力を伸ばし、権勢を得ようとすれば、私に王になるつもりがあるのではないかと謀反の疑いをかけられる可能性は十分にある。
私にその気がなくても、親ランテの立場にある貴族たちからすれば、隙あらば私の事を失脚させようと考えるだろうし、反ランテの勢力は私を盾にして、王にプレッシャーを与えることを考えるだろう。
望もうが望むまいが、私という存在は、貴族の勢力図の中でとても大きな位置づけをされることになる。

老獪な貴族達の中で、私が使えるカードは限られている。
その中でもっとも有力なカードは配偶選びだ。

親ランテ、反ランテ、どちらの立場からしても、
次の候補者を産むかもしれない可能性を秘めているという点で、
私の事を手にしたいと考えるだろう。

反ランテが、ヴァイルの王配というカードのせいで、
一枚岩になることができないのと同じように、
親ランテに対しても、私の配偶選びというカードを上手くちらつかせれば、
団結して私を蹴落とすことはできないだろう。

数少ないカードを上手く使って立ち回らなければ、
これからの私は生きていくのも難しくなる。


もう少し低い身分の爵位であったなら、新王ヴァイルの陰に隠れてひっそりと過ごしていくこともできただろう。
もしくは国政に携わる何らかの役職を与えられた場合なら、新王を支える忠実な臣下として王城の内外に存在を示し、王権を強化させる役割ができただろう。
もし公爵位など与えられなかったら、命を狙われるような危険も少ないだろうし、気楽に生きていくこともできたかもしれない。

けれど、これが印を持つものの宿命なのだ。
王にはならなかったが、だからといって印の持つ宿命から逃れることはできないということだ。

反逆者に仕立て上げられ命を落とすことになるのか、
貴族として名を上げ後世に名を残すものとなるのか、
名もなき候補者としてこの世界から忘れられていくのか、
再び王の候補者として政治の表舞台に立つことになるのか。

全てはこれからの私の闘いにかかっているのだ。

好奇、敵意、羨望、嫉妬、憎悪、欲望。
様々な思惑の絡む視線を浴びながら、
私は舞踏会という名の貴族の戦場の中、
一歩一歩、歩みを進めていくのだった。

AUTHOR / 作者 joeさん

貴族同士の争いの場に主人公が関わっていくお話が書きたかったのですが、
私の力ではその入り口くらいしか書けませんでした><