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ユリリエを中心とした二次創作の小説「舞踏会は終わらない1」

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MAIN CAST&SITUATOPN
ユリリエ / 憎悪Bにて、ユリリエに憧れつつ嫉妬した主人公が彼女と闘うお話

舞踏会は終わらない1

― レンディマよ、己のひきずるものを見よ。
それは何と黒く禍々しい似姿であろうか。
何と明白な罪の刻印であろうか。(中略) 
やがて、レンディマと同じように、
その徴をひきずる者の数は増えはじめた
愚かなるかな人の子よ、神の御心も知らずして。
魔が人の子の間に入り込みはじめた証であった。―
            ―創世の書 人魔の刻より―



私は鏡石を何度も覗きこみ、自分の姿を確認する。
大丈夫、これなら闘えるはずだ。
長く伸ばしたストレートの髪。
鮮やかな紅を施した唇。
胸元を大胆に開けた深紅のドレス。

篭りは私を十分に魅力的な女性に変えた。

自分で言うのも変だが、篭りに入る前の私とはまるで別人のようだ。
去年この城に来た時、自分の姿がここまで変わるとは思ってもいなかった。
いや、変わることを望んでいたのだろうか。

華やかな衣装や高価な貴金属を身にまとい、
優雅に美しくステップを踏みながら音楽に合わせてかろやかに舞い、
艶やかな笑顔と機知に富んだ会話で周りの人々を惹きつける。

城に連れてこられて間もない頃は、そのような姿に憧れていた。
そして、自分もそのような人物になれるのかもしれないと期待もしていた。

しかし、実際に私を待ち受けていたのは惨めな現実だった。

ただ印を持つというだけで何の取り柄もない田舎の子供に、
貴族たちが浴びせる視線は侮蔑と悪意に満ちていた。
「どうにも田舎くさいガキだな。」
「何の取り柄もない、ぱっとしない子供だ。」
そのような陰口を耳にしたことも一度や二度ではない。

最初に出た舞踏会などは散々なものだった。
ダンスを踊れば、相手の裾を踏んで転ばせてしまい、
会話をしようにも、相手が何を話しているのか全く分からず、
不適切な返事をして相手を怒らせてしまうことばかりだった。

そんなことが続き、しまいには私の相手をしてくれる人は誰もいなくなり、
いたたまれなくなって、逃げ帰るように会場を後にしたのだった。

その時の事を思い出すと、今でも顔が熱くなる。
実際あの舞踏会の後、私の事は、
舞踏会をめちゃくちゃにしに来た闖入者と貴族達の間で噂されたそうだ。

それからのひと月、私は必死に身だしなみや、礼儀作法、会話術等の勉強に力を注いだ。
最初のひと月は、何もやる気が起こらず、城をぶらぶらして勉強を休むことも多く、
たまに講師たちが私に教えてくれることがあっても、まともにその話を聞こうとはしていなかった。

そのツケがあの舞踏会での大失態なのだと気付き、
次の舞踏会こそは上手くこなして私を馬鹿にした貴族達を見返してやろうという気持ちになったのだった。

その甲斐あってか、次の舞踏会では、ダンスはぎこちないながらもステップを踏めるようになり、色々な相手と会話しても、失礼なことを言って相手を怒らせるようなことは無くなった。

どうにかお開きの時間になるまでしのぐことができ、私は精神的にも肉体的にもへとへとになりながらも、それなりの満足感を得て会場を後にすることができたのだった。

私が彼女に会ったのは、その舞踏会から数日の後の事であった。

AUTHOR / 作者 joeさん

長文なので分割します まずは1